〆土曜まで

うとましダーリン 思い返せば、多分、いちばんさいしょにしっくり来たのはあの時だ。 クロはあの時笑ってたっけ。おれは、たしか、気分が悪くなって踵を返しながらiphoneのスイッチを入れて、汗ばんでなかなかタップできない画面に、苛立っていた。 「…で、……

私の中国で行ってみたい都市は、中国最大の国際経済都市である上海市である。 2010年の上海万博でも注目された、この古くから物流の中心地として栄えた上海市は世界有数の国際都市である。近年では多くの外資系企業の進出により世界的な経済都市して成長し続…

レポート

私の中国で行ってみたい都市は、中国最大の国際経済都市である上海市だ。 2010年の上海万博でも注目された、この古くから物流の中心地として栄えた上海市は世界有数の国際都市である。近年では多くの外資系企業の進出により世界的な経済都市として成長し続け…

黒美

自分の嗜好は、すこし、世間様とズレているらしい。そのことに黒尾鉄朗は、高校を卒業するころには気づいていたし、確信があった。だがこの嗜好が何に由来されているのか、はたまた誰によって齎されていたかも容易く証明出来ていたので(己の脳内では)黒尾…

荒美←黒

「こ、こんにちは」 という鈴の音を鳴らしたという表現が似合う可愛らしい響きを、黒尾は見下ろした。小さくドモりながらもじもじと手遊びをしている少女の桃髪を春風が揺らし、薄らと染まる目許をチラりと見せる。 ふわりと香る草のにおいに混じる香水は、…

あおき

「windows、docomo、ワーゲン、カルピス、コカ・コーラ、バスケットボールワールドカップ、ソニー・ウォークマン、UNIQLO、Dior――黄瀬涼太、前代未聞の世界同時超大型タイアップ開始……ですか」 赤字で溌剌とタイトルが書かれている某有名サーチサイトにて。…

あおきえろ

「黄瀬 涼太」――見るからに男の名前を宿したその「彼女」は、アイドルであった。否、敢えてマニッシュな芸名をわざと使用している策すら伺える容貌は極めてガーリーに輝く。 ハニーゴールドの金髪は肩程までで揺れる丸味を帯びたボブヘアに、真珠のように白…

研磨

くたびれて黒ずんだスニーカーを脱いではじめて、ようやくシフトから上がれる気がした。「退」ボタンを押して、タイムカードに23:45と刻む瞬間でもなく、「お疲れさまでした」と蚊が鳴くような声で告げるときでもなく、伸びてよれた紐を解いて脚先でスポン、…

ねこま

セブンスコード 東京都新宿駅から著名な車線を使って二駅。聞き慣れた信号機から流れるメロディを尻目に、ごった返す交差点を抜けた先にある正面、ビル2F。タワレコがある場所。 背にある重さはもう親しんでしまったもので、たまに通行人(女子高生とか)に…

研磨

くたびれて黒ずんだスニーカーを脱いではじめて、ようやくシフトから上がれる気がした。「退」ボタンを押して、タイムカードに23:45と刻む瞬間でもなく、「お疲れさまでした」と蚊が鳴くような声で告げるときでもなく、伸びてよれた紐を解いて脚先でスポン、…

黒マリ

くろまりを書く あれは今朝の9時ぐらいだったか。昨晩の時点で、クライアントとの談合が思いの外早く済んでいたのでゆとりを持った出社が許された本日の、AM9:00くらいのことだった。この頃にクリーニング店から受け取ったワイシャツは、パリパリと糊が…

エクシリア

エクシリア3 (もしくは、Limit Garden)(カッコイイ名前)2から更に2年後、エクシリアを総括する話。 リーゼマクシアとえれんぴおすとかがなんだかんだあって、文史がなんだとかも色々あった後の話 原初の三霊であるオリジン、マクスウェル、クロノス 1作目が…

青マリ②

待ち合わせ前にふらりと立ち寄ったカフェはとてもいい雰囲気だった。 香る茶葉の精練さと舌触りの良いスコーンはアイネの舌をとろけさせ、ディッシュのサイドへ添えられたクリームをアクセントに挟めばそれもまた気持ちの良い寄り道を満たしてくれた。 口の…

青マリ

青峰っち見て見て、というライン通知が画面に見えた。 恐らくひとつ前のメッセージには画像が添付されており、嫌な予感しかしない青峰は汗で重くなったタオルを邪魔そうにスポーツバッグへ投げながらひとまず落ち着いてプラスチックベンチへ座る。 汗に蒸れ…

青マリ

「あい うぉんちゅ」 「No, No, I Want You」 もごもごと口許を動かした愛音は不服そうに男を睨んでいた。 相変わらずの可愛らしいひらがなの発音に歯がどうしようもなく疼く。可愛らしくて仕方がなかった。頭の奥の方から顎にかけてどうしようもない咀嚼願…

まりいさん

和 毬井愛音(まりい あいね) 英 アイネ・パルティータ Eine=Partita 身長 156くらい 血液型 O型orB型 ⇒参考 青峰:B型 黄瀬:A型 黒尾:? アルヴィン:? ムジカ:O型 FT、レイヴ、TOX ☆ムジカ準拠のため、やっぱり一番ムジカとが公式臭い。 ☆総受けでは…

黒アイ

一限目の授業に行く気になれない。深呼吸をして緑の芝生へ足先を向けた。 改装したての白壁が朝陽を反射させ、眩しそうにアイネは瞳を細めた。朝霧が春の薄緑色の匂いを運んでくるのに鼻を小さくひくつかせ、レンガを敷き詰めた道をゆったりとヒールの音を響…

アルエリエロ

漸く薄いパンティの中へと手を差し込めば、そこは湯気立ちそうな程蒸れていた。男の大きな手をいやらしく浮かせる柔らかな布は湿り気を帯びながら甲に張り付いてくる。女の履くそれは何故こうも千切れてしまいそうなほど薄い生地をしているのかと、その感触…

アルエリ

「おっ、猫ちゃんか。こんなとこで何してんの?」 薄暗い足元を西日が長い影を作る階段の踊り場。聞こえた方向へ少女が顔を上げようとすれば先に、大きな手が頭を包んだ。 「帰るけど車乗ってく?」 「行かない」 つんとそっぽを向き歩き出す姿は、さながら…

あるえりをかく

「ロリコン。」 元来から、意識せずとも甘くこもる声がアルヴィンの耳に届いた。くすんだ金髪がちょうど見えなくなる頃合いを見て現れた、桃色の縁取りにすこしだけ、ほう、と嘆息する。エリーゼも、暦をかんがえるとじゅうぶんすぎるほどの美少女であるが、…

アルアイ会話文3本

「おじさまぁ、そろそろ起きないと遅刻するわよ?」 「んー…あと5分……それとお兄さんだ」 「早く起きないと遅刻」 「……ハイハイ」 「(ちゅ)」 「…可愛いことしちゃって」 「(てれてれ)…!せくはら!(ペン)」 「おっと、手厳しいねぇ(手ヒラヒラ)」 …

アルアイ会話文2本

「アルヴィンくん」 「ん?」 「アイネ、お夕飯作ったの」 「マジかよ、どれどれ」 「(どやどや)」 「・・・。猫ちゃん、この皿から溢れてる魚の頭は」 「? いいお出汁でるのよ?」 「…ステーキにか?」 「お肉とお魚が男の人は好きだって読んだの(ぶい…

アイネ総受け

「器用なモンだな」 思わず声をかけたグレイにムジカは作業の手を止める事は無く、得意げに口角を上げて見せた。 ラジペンやニッパーなどの工具が所狭しと並ぶムジカの机は狭い工具部屋のようだった。金属製のハンダゴテ置きも彼の自作。以前にグレイが聞い…

グレアイ

グレイくんが、傘を忘れたとおめおめ。わざわざラインしてきやがったので、可愛くて世界一やさしいアイネは待ってあげることにしたのであった。 「……遅い…」 小雨が降りやまぬ中、昇降口に立ち尽くしていると孤独感に見舞われる。灰色ののっぺりとした雲や、…

クラインとグレイ

「よォ、久し振りだなクライン」 レンチに力を入れていた手を止め顔を上げれば、久しく顔を見ていなかったグレイさんがいた。シャッターに手をかけ覗き込む姿は以前に見た時よりも渋く、有り大抵な男が着たなら雰囲気負けでもしてしまいそうな艶消しされたレ…

ムジアイ 夫婦編

彼氏となったことがついこの間のようだ、と旦那は言っていた。 アイネにとってそれが長かったことなのか短かいことなのかは測り兼ねているが、この結婚生活は決して悪いものではなかった。面白くない事が起きるときもある。だが大きな喧嘩という形となってい…

もえ夫婦メモ

妻の誕生日なので久しぶりに言ってみた 仕事帰りに花屋で簡単な花束作ってもらい帰宅 この時期は妻も仕事が忙しいため夕食の支度でバタバタしていたが 俺「誕生日おめでとう いつもありがとうね 愛してるよ」 と花束を渡すと 妻「ありがとう ちょっと疲れて…

未完成 グレジュビ+ムジアイ前提、グレアイ修羅場

頬から顎へ走る衝撃で、脳がブレた。 ドシャリと転倒した大の男の体が容易く数センチほどカーペットを滑らされる。日常の生活でこれほどまでの打撃を食らう事など到底無く、グレイは咄嗟に何が起こったのか把握ができないようであった。ようやく手が床につい…

ムジアイ

御存じだろうか、悲劇とは最高の喜劇であるということを。 人生はクローズアップで見れば悲劇、ロングショットで見れば喜劇。俺が敬愛するチャールズ・スペンサー・チャップリン・ジュニアのその言葉の通りの事象がいま目の前で起きようとしていた。 まずは…

小話

「二年男子は豊作」とはよく言われたものであって、おおいなる優越感と、そして少々の苦笑を覚える。「豊作」の一員としてカウントされるのは素直に喜ばしいことであるが、主に「豊作」を代表する人物として己は挙げられない筈だからだ。グレイ、ムジカ、ジ…